ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、2025年シーズンにおいてもMLBの中心的な存在として輝き続けているが、最近、ドジャースのコーチ陣から彼に関する衝撃的な発言が飛び出し、大きな注目を集めている。5月13日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦後の記者会見で、ドジャースのマーク・プライアー投手コーチが、大谷選手の投手としての復帰について「彼は我々が予想していたよりも早くマウンドに戻る可能性がある」と発言したのだ。このコメントは、大谷選手の二刀流復帰を心待ちにするファンやメディアに衝撃を与え、彼の今後の活躍に新たな期待を寄せている。

大谷選手は2023年9月に2度目の右肘手術を受け、2024年シーズンは打者に専念。驚異的な54本塁打と50盗塁を記録し、ナショナル・リーグのMVPを満票で獲得するなど、打者としての能力を世界に示した。しかし、投手としての復帰は2025年シーズン後半になると見込まれていたため、プライアーコーチの発言は予想外だった。具体的には、大谷選手が既にブルペンでの投球練習を増やしており、近日中の模擬試合で打者と対戦する可能性があると示唆した。この発言は、5月14日のスポニチの報道でも取り上げられ、「大谷の復帰はチームの投手ローテーションに革命をもたらす」と評価されている。

大谷選手の投手復帰は、ドジャースにとって大きな意味を持つ。現在、チームはブレイク・スネルやタイラー・グラスナウといった主力投手が怪我で離脱する中、先発投手の層が薄くなっている。5月12日のNHKの報道によると、復帰したトニー・ゴンソリン投手が6回3失点の好投を見せたが、チームは依然として安定した先発陣を必要としている。 プライアーコーチは、大谷選手の投手としての資質について、「彼のスプリットとスライダーはすでに試合で通用するレベル」と述べ、その準備状況に自信を見せた。この発言は、大谷選手が投手としても即戦力として期待されることを示唆している。

一方で、この発言は慎重な見方も呼んでいる。大谷選手の肘の状態は依然としてデリケートであり、無理な復帰は再発のリスクを伴う。サンケイスポーツの5月10日の記事では、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が「大谷の投手復帰は焦らずに進める」と強調していたことが報じられており、コーチ陣の間で復帰時期に対する意見の微妙な違いが見られる。 ファンの中には、早期復帰による健康リスクを懸念する声もX上で見られ、@Dorapeinetは「大谷の体が第一。投手復帰は慎重に」と投稿している。 それでも、プライアーコーチの楽観的な見方は、大谷選手の驚異的な回復力とトレーニングへの取り組みが裏付けていることを示している。

大谷選手の2025年シーズンの打者としての活躍も見逃せない。5月12日のダイヤモンドバックス戦では、母の日にピンクのバットで2安打1打点を記録し、打率を3割8厘に上げた。 また、9回に12号3ランを放った5月9日の試合では、ロバーツ監督が「バリー・ボンズ以来の勝負強さ」と絶賛するなど、彼のクラッチヒッターとしての評価は揺るぎない。 こうした打撃面での成功が、投手復帰へのプレッシャーを軽減し、彼の精神的な余裕につながっている可能性もある。

この発言の背景には、大谷選手のメンタル面での強さも関係している。ドジャースのメンタルスキルコーチ、ブレント・ウォーカー氏は4月に「大谷はルーティンを守り、結果に左右されない集中力を持っている」と語っており、こうしたマインドセットが早期復帰への準備を支えていると考えられる。 プライアーコーチも、大谷選手のトレーニングに対する姿勢を「規格外」と称賛し、彼が投手と打者の両方で同時に高いパフォーマンスを目指す姿勢に感銘を受けていると述べた。

大谷選手の投手復帰が現実となれば、ドジャースのナ・リーグ西地区での連覇やワールドシリーズ制覇に向けた大きな後押しとなるだろう。しかし、5月14日の日刊スポーツによると、チームは同日にアスレチックスに1-11で完敗し、佐々木朗希投手が右肩痛で故障者リスト入りするなど、課題も浮き彫りになっている。 大谷選手の復帰はこうした状況を打破する起爆剤となり得るが、コーチ陣の発言が示す楽観論と慎重論のバランスが、今後の鍵を握る。ファンとしては、大谷選手の健康とさらなる飛躍を願いつつ、彼の二刀流復活の瞬間を心待ちにしている。